西和人一級建築士事務所

フラット35って何?

18. may. 2020

先日の投稿に引き続きフラット35について記載して行きます。

目次

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.フラット35とは

2.フラット35の技術基準

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1.フラット35の種類

 

前回もお話ししましたが民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利住宅ローンです。

ではフラット35の内容の方改めて確認していきましょう。

 

フラット35HPより

フラット35のHPでは以下のように説明されています。

・ずっと固定金利

資金受取時に返済終了までの借入金利と返済額が確定します。

返済中に市場金利が上昇し、その時点の【フラット35】の借入金利が上昇した場合でも、資金受取時に確定した借入金利で返済を継続するが、返済中に市場金利が低下した場合でも、資金受取時に確定した借入金利で返済が続くことになります。

・多彩なメニューの存在

フラット35よりも金利が優遇されるフラット35S(金利Aプラン)、35S(金利Bプラン)やリノベーションに使えるもの、返済期間50年のフラット50等様々なプランがある。

・保証人不要、繰り上げ返済手数料不要

保証人や繰り上げ返済や返済方法の変更を行う場合の手数料がかからない。

・サポート体制

万一のことがあった場合に備えて、新機構団信や新3大疾病付機構団信がある。

最大の特徴はメリットでもデメリットでもある ずっと固定金利というところでしょうか。

現在は超低金利時代、変動金利では0.5%前後の商品もある中、フラット35では15〜20年の場合最頻金利1.23%、21年〜35年の場合最頻金利1.30%と決まっています。

金利は社会の情勢により決まってくるものですがどちらがお得であるかは検討が必要であると思います。

 

2.フラット35の技術基準

 

また、フラット35を使用する際は建物の性能をあげて設計する必要があります。昨今の住宅では普通に設計を行えば達成できるものですが、金利が優遇されるフラット35Sはさらに厳しい基準が決められていますので注意が必要です。

建物を建てる際は最低限建築基準法を遵守していれば良いのでは?と思われる方もいると思いますがそうではありません。

断熱性能や住宅の耐久性、建物保全等の規約が含まれてきます。

 

フラット35HPより

図を見ると技術基準の段階がわかりやすいと思います。

建築基準法はあくまで建物を建てる際の最低限の基準です。

この法律を守っていれば違法性はありませんが、様々な性能担保をフラット35を使用する際は必要になってきます。

建物にかけることのできる予算もあるはずです。

結果、フラット35Sにこだわるばかりに設計する会社の得意な仕様とは食い違い、建設コストが上昇してしまう?という恐れもありますので注意が必要です。

 

なので建物を設計する設計士さんには必ずフラット35を使用する旨の方最初に伝えてください。

後から基準を満たしていないということはあり得る話です。

技術基準は専門の知識が必要になってくるのでここでは触れませんが、よく考慮の上、設計士さんに相談していくのが良いと思います。

住宅ローン、借りるまでに最低限押さえておきたいこと

16. may. 2020

住宅を建てる際、大概の人が利用するのが住宅ローン、日本では9割を超える人が借りるそうです。

年収の何倍まで借りることができるの?という話もよく聞きますが、各々のライフプラン、生活スタイルによって変わってくるのではないでしょうか?

子供が何人いるのか?自動車ローンはいくら残っているの?最近よく聞く老後2000万問題ってほんと??

そう考えていくと年収の何倍という発想ではなくなってくるのではないでしょうか。自分のライフプランと相談しながら借入、返済も計画的に行いたいものですね。

 

今回は住宅ローンを借りるまでに最低限知っておいた方が良い知識をご紹介していきます。

 

目次

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.子供の教育費について

2.住宅ローンについて

3.フラット35のメリットデメリット

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1.子供の教育費について

 

人生の中で住宅以外で大きな出費となってくるのは何と言っても子供の教育費だと思います。

子供の人数や進路によっても大きく変わってきますが、まずは少し、一般的に大学まで卒業した場合のかかる教育費の方見てみましょう。

 

 

上の表は幼稚園3歳児から大学卒業までにかかる文科省が発表している学費の平均をまとめたものです。

全て国公立で進んでいったとしても1人800万円以上、全て私立ですと2000万円以上がかかることが見て取れます。

もちろんこれは学校での授業料だけの話ですので他に習い事をすればそれ以上かかりますし、県外の大学に行く場合は仕送り等も発生してくるのかもしれませんし、大学院まで出る場合はもちろんこれ以上かかります。

あくまで最低限の費用であり、さらに平均ですので仮に私立大学の医学部に、、という話になるとさらに大きな負担がかかってきますww汗汗

計画が見えている方にとっては当たり前なのかもしれませんが、初めてみられた方にとっては大きな数字に見えたのではないでしょうか。

 

子供達は私たち大人が育まなければならない特別な財産です。

 

しっかりと現状を把握し、責任と計画性を持ってライフプランを作って行く必要がありますね^^

 

2.住宅ローンについて

 

では教育費の目処がある程度ついたとして次は住宅ローンです。

主な借入先は以下になると思います。

財形融資は財形貯蓄をしている人に限りますのでサラリーマンの人が多いのかもしれません。

ただし、現在は一般の住宅ローン金利が非常に低いため、財形住宅融資を利用するメリットも少し薄れてきているのかもしれません。

一般的には銀行ローンやフラット35を活用することが多いのかもしれませんね。

 

住宅ローンを考える際、現在は超低金利時代です。

金利の価格競争もある中、最近ではネット銀行による借り入れを行なっている人も多いのではないでしょうか。

ネット銀行は一般の銀行よりも審査が厳しめではありますが、全ての申請をweb上で行える等忙しい人にとっては一つの選択肢なのかもしれませんね。

下の写真は価格.comからの転載です。

もちろん変動金利にはなりますが0.5%前後の数字には驚かされます。

もちろんネット銀行を斡旋しているわけではありませんw

各種地方銀行でも様々な商品もありますので自分のメインバンクだけに頼ることなく、様々に探してみることも重要だと思います。

 

また、フラット35をお考えの人もいるのかもしれません。

 

私の事務所でもフラット35の相談を何件かいただいたこともあります。

フラット35は2013年度から始まった住宅金融支援機構および前身の住宅金融公庫の証券化支援事業をもとに、取り扱い先の民間金融機関と共同で提供する長期固定金利の住宅ローン商品です。

少しフラット35について深掘りしてみましょう。

一般的な民間ローンとフラット35の比較です。

フラット35の最大の特徴は変動金利0.5%のような格安金利は難しいですがそこそこの金利でローンが返済しきるまで固定金利でいけるところです。

以下フラット35の各年1月の金利の変動を表したグラフの方掲載します。

住宅金融支援機構の「旧公庫融資基準金利の推移」15年分を見てみると、どんどんと金利の方下がってきていることがわかります。

こちらも変動金利と同様景気に左右されて行くことは当然ですし、これから先のことはわかりませんが低金利であることは変わりないと考えられます。

 

3.フラット35のメリットデメリット

 

では最後にフラット35のメリットデメリットについて見てみましょう。

 

【メリット】

  • フラット35Sを利用することでさらに金利の引き下げも可能。
  • 審査が民間融資よりも低い。
  • 団体信用生命保険の加入が任意。
  • 全期間が固定金利なので返済額が変わらず安心できる。
  • 繰り上げ返済の手数料が無料。

 

【デメリット】

  • 住宅の技術基準があるため、物件の検査などが必要になる。
  • 申請が煩雑。
  • 申請の煩雑さにより設計料等に別途手数料がかかる場合も。
  • 建物のグレードを上げることにより工事費が高くなる。
  • 諸費用まで借りることは不可。
  • 返済時に金利が下がったとしても、返済額は下がらない。
  • 変動金利より金利が高い。

 

メリット・デメリットが様々見て取れますね。

最低限の知識を持って様々な融資機関とやりとりして行くことが重要だということが伝わっていただけると嬉しいです。

実はフラット35では住宅設計における重要度がとても大きいところがありますので、せっかくですので次回もフラット35について少し掘り下げていけたらと思っています。

 

より詳しくYouTubeでも解説しているので、ぜひご覧ください!

(動画)

 

建築家の思考の流れを追う。富山県に建てた南砺の家

15. may. 2020

先日に引き続き建築を建てきるまでの思考の流れを書いていきます。

今回は富山県に建てた南砺の家です。

 

目次

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.施主の要望、状況分析、敷地環境

2.どのような建築が良いかの検討

3.出来上がった建物について

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1.施主の要望、状況分析等

 

まずは施主の要望が第一です。

いろいろありますが今回の住宅の大枠は以下の3つです

・コンパクトで動線計画の優れた家

・木の素材感を生かした木造の家

・必要スペース:LDK・主寝室・子供部屋・カーポート・水回り

次に、計画敷地です。

計画敷地の中にお客さんの要望の実現性を検討していきます。

初めて敷地に行った時はとても驚かされました。

広がる田園風景、山並み、これらの景色をいかに建物に組み込むかに注力していったことをよく覚えています。

それとは対照的に住宅街に立ち並ぶカーポートの風景が気になりました。

カーポートが立ち並ぶことで単調な街並みが生まれています。

施主の要望からもカーポートの要望もあったためこの2つの現状をいかに1つの建物に組み込んでいくのかを検討していきました。

 

2.どのような建築が良いかの検討

 

コンパクトな住宅であるというメリットを生かし、建物は平屋で抑えることで小さな敷地に建つ住宅二ありがちな建物の圧迫感をまず防ぎます。

その上でカーポートのデザイン、折半屋根の陸屋根という特徴を周辺環境に馴染むように建物計画に取り入れ全体をまとめていくことを考えました。

 

模型とスケッチによって検討していき構造計画と平面計画を同時に検討していきました。

 

結果的にできた平面図です。

 

施主の要望する快適な動線、必要居室を単純な構造計画を意識しながら計画の方進めていきました。

施主の要望である木の素材感を表していくことで必然的にコストが上がりますが、構造計画を単純化してデザインしていくことで必要以上のコストアップを防いでいます。

検討した模型写真です。

均質な屋根架構を建物にふわりと掛けてみます。

 

結果的に軽やかな建物計画が生まれていきました。

 

3.出来上がった建物について

 

この写真からカーポートのデザインを意識していくことで特徴的な建物が違和感なく街並みに馴染んでいることがよくわかると思います。

車庫(カーポート)も建物と一体として考えていくことで軽やかなデザインが作ることができたと考えています。

考えてきた架構が風景と一体になって1つの景色を作っています。

この住宅では施主の方々もとても熱心に、建物を立てる過程を本当に楽しんでくれていたのがとても印象的でした。

 

思い入れのある建物ができ、生活を楽しんでいただいていることにとても喜びを感じています。

より詳しくYouTubeでも解説しているので、ぜひご覧ください!

(動画)

建築家の思考の流れを追う。沖縄県に建てた美里の家

15. may. 2020

 

建築家ってどのようなことを考えて設計を行なっているの?

みなさん疑問に思っているのではないでしょうか?

設計する人によって設計の進め方は様々ですが、ちなみに僕はどのようなことを考え設計活動をおこなているのか、全てをここで伝えることはできませんが大枠をここでは説明していきたいと思います。

 

目次

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.施主の要望、状況分析

2.どのような建築が良いかの検討

3.出来上がった建物について

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

1.施主の要望、状況分析等

 

まずはお客さんの要望が第一です。

いろいろありますが大枠は以下の3つ

・明るく、家族がつながるリビング空間

・沖縄らしい建物

・必要スペース:LDK、主寝室、子供室、畳スペース、水周り空間

次に、計画敷地です。

計画敷地の中にお客さんの要望の実現性を検討していきます。

 

 

2.どのような建築が良いかの検討

 

これが建物が建てられる前の敷地です。

敷地に行くと様々なことが読み取れますね。

写真の左が東面ですがマンションが建てられています。上部からの建物への視線が気になりますね。

幸い写真正面、南側は平屋の住宅ですので開けていて上部からの明かりが期待できます。写真右側はお隣さんの住宅になっているので塀か何かを立ててプライバシーは守りたいところです。

次はここにどのような建物が良いかを検討していきます。

お客様の要望である沖縄らしい住宅とはどういうものなのかも検討していきます。

沖縄の建物はコンクリート造で作られたものが圧倒的に多く9割をゆうに超えます。

2015年のデータですがほとんどがコンクリート造の建物である事がわかります。

今は少しずつ木造の建物も増えてきていますがこの結果は一目瞭然です。

ただ、だからと言って素直に従うわけではありません。本当にこの答えが正しいのかを考えました。

引っかかる点はやはり、高温多湿の沖縄の風土に対してコンクリート造はふさわしいのかという問題です。コストも割高になります。

今回の計画では、

木のもつ断熱性や調湿性、開口部やプランを柔軟に計画できる木造建築の軽やかさを沖縄の風土に合わせて建築に取り込む事はできないのかということを考えていきました。

単に木造の建物を建ててしまうのではなく木造・コンクリート造の長所を組み合わせた(チャンプルーした)快適な住まいのあり方を探ります。

ここまで方針が固まってくればあとはスケッチや模型作りにより徹底的に検討です。

この過程が長く説明しきれない部分もありますのでw、、結果的にできた建物をこれから少し説明していきます。

 

 

3.出来上がった建物について

 

断面図です。

建物としては一階をコンクリート造、2階が木造となっています。

木造部は外壁・屋根通気を確保し、断熱材、空気の層が過酷な環境から室内の生活環境を守ります。熱効率の悪いコンクリート造も上部に木質空間があることにより、日射熱の侵入を大幅に、回避できます。熱せられた空気は上昇気流を生み2階で排熱されます。

工事中の写真です。

強固な1階空間の上に木造空間が軽やかに設置されています。

1階のコンクリート躯体の上に木造の躯体が設置されて行っています。

工事期間はだいたい6ヶ月。

ここから先、仕上げや収め方、電気計画や設備計画、様々な過程を経て、1つの建物が完成していきます。

設計期間を加えるとおおよそ1年が建物が完成くらいの目安でしょうか。

 

完成した建物です。

 

いかがでしょうか。

1つの建物を考え完成に至るまでには様々な思考の流れや、考え方が存在します。

 

その流れをよく設計者、施工者、施主、皆で理解し合いながら進めていくことで理想の建築を建てることができます。

 

1年という期間はとても長く感じるかもしれませんがこの過程を楽しみながら進めていくことできっと思い入れのある建物を建てることができると思っています。

 

少しでも何かの役に立っていただけると幸いです。

 

間取り等より詳しくYouTubeでも解説しているので、ぜひご覧ください!

(動画)