西和人一級建築士事務所

家づくりナビ

27. december. 2017

年末も押し迫っていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

さて、明日28日より発売の「家づくりナビ1-2月号」に「上荒屋の住宅」が掲載されています。

 

住宅が完成してからのお施主様の生活の変化がまとめられています。

 

ご興味のある方は是非ご覧くださいませ。

 

 

 

講評

17. december. 2017

中部建築賞審査委員長である栗生明先生の総評の一部を抜粋します。

 

私は昨年の総評文に、中部建築賞の評価基準の1つとして、「中部地域の景観、風景、風土にふさわしい建築であるかどうかを問う」と書きました。フィジカルな視覚環境を表現する「景観」という言葉と比較すると、「風景」は人間の意識や記憶に関わり、文学的ニュアンスをもって語られます。さらに「風土」は古代から受け継がれたその地域固有のDNAだとも考えます。「その建築が存在することで景観が整えられ、風景に愛着が沸き、風土に厚みが増してくる。」近代建築はこの視点を軽んじていたと思います。

今回の審査でも、その建築が、周辺の景観、風景、風土に馴染むだけでなく、近隣周辺に良い影響を与え、地域を活性化させるような作品が高い評価を得ました。こうしたことは現地に行き、実際に敷地周辺を歩き、様々な距離からその建築を眺め、周辺環境の中での佇まいを確認し、さらには設計者のみならず、施工者、建築主、その建築の利用者、近隣の生活者に直接話を聞き、その地域の歴史や、その建築が建てられた経緯について知ることからも評価されたものです。建築の価値は、周辺環境の歴史的時間の審判によっても計られるものだからです。(※以下省略)

 

 

今年の中部建築賞には、49年の歴史の中で2番目に多い応募があったようです。

その中で、自分の設計した建物が、どこまで栗生先生の言う「その建築が存在することで景観が整えられ、風景に愛着が沸き、風土に厚みが増してくる。」という言葉に答えられたのかは分かりませんが、評価していただき、選んでいただいたことには心から嬉しく思っています。

栗生先生の言葉は、これからの設計活動における自分の中のかけがえのない財産にもなります。

歴史ある賞の名に恥じぬよう、これからも自分の人生を賭して良い建築を追い求めていければと身が引き締まる思いになりました。

 

 

もう1つ、審査員の1人である川崎寧史先生の「上荒屋の住宅」に対する講評が挙げられたのでこちらも以下に記載しておきます。

 

金沢の中心部から少し外れた静かな住宅地に建つ住宅である。

外観はシンプルなデザインであり、ファサード側は出入り口と上層部の小窓のみ、外装は落ち着いた光沢の金属板であるが、周囲の住宅街と違和感なく調和している。

1階のダイニングに面する部分や2階の吹き抜けには日光を受け入れる大窓があり、生活方向には十分な開口を設けている。内部は大きな吹き抜け空間を中心として、4つのレベル差を持つオープンな空間で構成されている。シンプルな外観とは異なり、内部は木造で包まれた温もりある空間が広がり、そのギャップもむしろ興味深い。

1階は生活の中心としてダイニング・キッチンとリビングが配置され、その奥に水回りがある。2階は吹き抜けに面する通路に手すり兼オープンデスクが巡り、どこでも読書や勉強ができるようになっている。その目線の先には、自然とリビングやダイニングの風景が映ってくる。

通路の奥には数段上って将来の子供部屋スペースがある。また、2階通路から逆側に半層上がって主寝室があるが、この場所はボックスとして閉じられている。ただし、吹き抜け側には内部の小窓があり、必要に応じて開閉できるようになっている。この半層下の空間は小スペースとして開けられており、座ったり寝転んだりして作業や趣味を行える場となっている。

このように、住宅としてはあまり大きい規模ではないが、大小合わせて多様な空間が用意されている。大きな遊具の中に身を置いたようにも感じられ、家族を身近に感じる楽しい生活風景が演出されている。

 

 

中部建築賞授賞式に合わせて

17. december. 2017

愛知で建築活動を行っている、大学の先輩と久しぶりに再会。

 

建築学科は少数精鋭だったので、同じ環境で学び、独立して設計活動を続けている数少ない仲間の1人。

大変に優秀な方だったので、負けないようにと自分も励んできたつもりだけども、彼の建築に対する眼差しは、僕よりももっと先にいて、そして、そのことがとても嬉しかった。

 

設計した建物も色々紹介してもらった。

 

その1つ。半田市亀崎町にある公園の小さな休憩所・公衆トイレ群。

繊細に配置された建物達は仲良さげで、

前日に非常に嬉しい事、残念な事が同時に起きた僕の複雑な心境どちらにも優しく、涙が出そうになった。

 

彼の地域・建築に対する誠実さは実に清々しく、自分の仲でまだぼやけていた来年の目標の1つを指し示してくれた。